夏バテソーラスという架空のバンドのブログ

愛と平和のお花畑です あたしどこにいるのかしら? わかんな~い あははははははは あははあはあははははは

下北沢で四人

 先日、二年振りにお酒を吞みに行ってきました。場所は下北沢、かつて知ったる街です。その辺に住んでいた頃は毎週末(金曜晩から日曜晩まで)を飲酒に費やしていました、オールナイトロングで。月曜に出社出来ず(出社せず)という事もたまに、いやしょっちゅうありました。大人の吞み方ではないですね。  東京を離れてからもその辺でやっていた事があったので、ほぼ週一で吞みに行っていました。仕事始めの日と花見の翌日は出社出来ず(出社せず)という事が二年続けてありました。やはり大人ではないですね。   自宅録音を始めてからは、時間と精神的な余裕と他に色々大事なものが無くなるだけ無くなり、足が遠のいていましたが、馴染みのお店に「一区切り付いたら挨拶に伺う」とだいぶ前に言ったきりになっていたので、今回音楽の方ではなく仕事を辞めたの方を区切りと解釈して行ってきました。   下北に向かう電車の中で心中は複雑でした。「もうあの日々は終わったのだ」「これから僕は過去に別れを告げに行こうとしているのか」「酒も人も信用してはならないと学んだはずだ」「それぜんぶ本当か?」など。「東京の風景はあの頃と同じなのに俺はたぶん終わってる、認めないけど」    さて、実際お店のドアを開けると時間が止まってるように同じ空気があって馴染みの人たちが暖かく迎えてくれました。 二年の時間もなかった如きです。もしかしたら酔っ払いは歳をとらないのかも?てな感じの不思議な気分で楽しく吞んだり話したり。で「また来マース、ごちそうさまでした、おやすみなさーい!」さらにもう一軒。で、失敗すべくして失敗しました。性格上回避できない事だったので反省はしていませんが、この時点で僕は自分がどれだけ酔っているかまるで把握出来ていませんでした。久し振りの酒の上に自分の精神状態を考えればここはセーブして・・・無理! 酒とは飛距離を競う競技なのです。年間トータルで何回おっきい方を漏らしたかで年俸が決まるのです。そして究極の目的は知覚の扉を開くこと、ブレイクオンスルー! です。という訳でもう一杯、ここで真打ペルノ登場!そして沈没!馬鹿です! 店を出てから気づきました「平衡感覚が壊れてる、歩いたら死ぬ」道路と添い寝したり鼻先をトラックがかすめたり椅子から落ちて後頭部を打ったりとか色々ありましたがこれは初めて。自己防衛本能が発動、通行の邪魔にならない営業の邪魔にならない目立たない陰に移動して体操座りです。こういう時に寝潰れる能力はないので動けないのに意識はギスギスに覚醒しています。   そこからまず一人目、「あなた大丈夫?」ジムモリソンのようなテナーボイスに目を開けるとそこにはエロいメイクの女の人が。「男の人ですか?女の人ですか?」失礼に気付き、慌てて「だいじょうぶです、少し休んでるだけです、すみません。」こういう傷付きながら生きてきたであろう人(好きです)の優しさに失礼を返してしまった、反省しています。   二人目(一組目)、日本語が堪能な中流ぽい白人さんたち「だいじょうぶ?」「だいじょうぶです以下略」そんなに危うそうだったんだろうか?動かないのがかえってまずかったんだろうか?死んでるように見えたのかも。    三人目、出動、若いお巡りさん。「だいじょう・・」「通報あったのでしょうか?吞みすぎて動けないのでどうのこうの」「ぼくわ誰にも迷惑かけたくないし傷つけたくないしめいわくだったらいどうします・・・」若きポリスマンは僕を見下す訳でもなく目を合わせて酔っ払いのプライベートな主張を聞いてくれました。そして最後に「休むんなら公園のベンチとかで・・・」ああ!そうだったんだ、誰から見てもただの目障りだったんだ! 仕方なく移動、道路渡ってちょっと歩いてやっぱ無理、物陰で座り込む。おっきなお家の塀だった、完全に不審者。   そして四人目、自転車に乗った文化系ぽい仕事出来そなお兄さん。自転車のライトから完全に死角だったのになぜか見つかる。「大丈夫ですか?」「以下略」。   結局、駅に移動するまでに見知らぬ四人の人にお声掛けを頂いてしまいました。下北の人は優しいという事で結論にしたいですし、まだまだ人間捨てたもんじゃないと思いたいんですが、単に僕が誰から見ても酷い有様だったという事なんでしょうかねえ?酔っ払い本人がわかってないだけで。   迷惑行為ではありましたが、一晩で、未だ画一的な価値観が老若男女を支配する田舎では認められない「人の多様性」をただ座り込んでるだけで見学出来たのは贅沢でした。性別のわからない人、コスモポリタンな外国の人、権力側のまだ出来上がっていない若手、爽やかな文科系(全部こちらの勝手な推測ですが)が、僕を差別も敵視もしませんでした。悪とも見做しませんでした(だってそう思ったら近付かずに放っておくでしょう、警官は別ですが)。僕も同じでした。